AAS (アメリカ・アジア研究協会)など国際学会におけるパネルプロポーザルについて
皆様蒸し蒸しした夏、いかがお過ごしでしょうか?私は現在このブログを台湾にて書いているのですが、こちらは比較的涼しいのですが、毎日雨で季節外れの梅雨を過ごしています。さて、今回のブログのテーマについてですが、AASなどの国際学会でプレゼンをする際にパネルを作り、プロポーザルを提出する際に、気になった一つの問題について書きたいと思います。AASの申し込みの締め切りが8月上旬であり、参加意向の先生・院生は現在どのようなパネルを作り、各ペーパーとパネルそのものの要約などを考えている最中かと思います。また、日本で教えている先生に連絡を頂いた際に感じた想定と私の考え方のズレがありましたので、それを元に以下のような提案をしていと思います。特にDiscussantの選定やコミュニケーションに関してであり、一言で言えば知らない先生方にコンタクトを取っても問題ない、という点です。
前提として、日本の先生・院生がパネルを構築し、テーマを決定する際に、友達や知り合いの国内外の人に声をかけて作るものかと思います。お互い大体どのような研究をしていて、ある程度違う領域やテーマについて研究していたとしても、それが一番近道かと思います。そうすることで、円安のこのご時世に鑑みて研究予算の観点からも、安全性を確保できるかなと思います。また、最低でも一人必要なDiscussant、さらにChairについても同じことが言えるかと思います。全てのことがご自身の関係性の中から完結すれば、それはそれで素晴らしいことです。
一方で、自分の関係先から全て自己完結できる若手の研究者がどれくらいいるのでしょうか?と思わざるを得ません。是非、知らない研究者にコンタクトを取ってみてください。私自身、2015年に博士号を得た前後から自分でAASのパネルを作り始めて、すでに5回自分でパネルを構築しましたが、全てのパネリストやDiscussantを自分の知り合いから自己完結したことはありません。パネルのテーマを大枠で考えて、他の院生や学者にコンタクトを取り、Discussantを選定するなどの部分で、多からず会ったこともないどころか、連絡を取り合ったこともない人に連絡してきました。或いは友達の友達など、薄ーい間接的な繋がりの人も多くいました。断れることもありますが、少なくとも無視はされたことはありませんし、より多くの場合でOKの返事をもらい、そこから話し合ってパネルのプロポーザルを書くなどをしてきました。国外の学者は知らない研究者からメールをもらうことに慣れています。過程そのものは面倒なこともありますが、特に若手の研究者であれば自分のネットワークを広げる良い機会でもあると思います。少なくとも、パネリスト一人と著名な研究者をDiscussantとしてお願いすることを検討してみてはいかがでしょうか?
想像するに、コンタクトを取らない理由があるとすれば英語で書くことに限らない技術的な問題にあるかと思います。アメリカを初め他の研究者は所属先のHPにメールアドレスとこれまでの研究・教務の履歴を載せていますので、まずは確認してください。英語については、以下のようなフォーマットで自分の言葉で書いた後、昨今はAIなどもありますしチェックするなどをすることは、何もしないことより良いのではないかと思います。
Dear Dr./Professor X、
第一段落:手短な自己紹介(所属、研究テーマ、最も焦点を当てたい研究成果ー私の場合は去年出版したGeographies of Gender: Family and Law in Imperial Japan and Colonial Taiwan (Cambridge University Press, 2025))。
第二段落:コンタクトの目的(学会におけるパネルへの招待)と現時点における当該パネルに参加意向者。もしゼロからスタートするのであれば、誰を誘っている・誘う意向であるかの併記。
第三段落:パネルの大まかな目的、意義及び暫定的なタイトル。他のパネリストが全く確定していない場合は、よりご自身個人の意向を述べてください。将来的に微調整をする必要性は出てきますが、最初にご自身の研究と問題意識を述べることが重要かと思います。
第四段落:ご自身のプレゼンペーパーの概要。もし、2−3人の方からパネリストとして参加意向であれば、彼らのペーパーの概要についても。一人当たり、1−2行で充分です。最初のコンタクトについては簡潔さが大事で、もし相手が質問があれば、フォローアップすると思います。
第五段落:どうして、コンタクト先の研究者に、パネリスト或いはDiscussantとして、当該パネルに参加していただきたいかを彼らの研究意義から説明。この段落も簡潔さが大事かと思います。
最後に感謝の一文と共にメールの文面を閉じます。
以上のような内容にあるかと思います。当初は緊張するかと思いますが、是非試してみてください!